経営革新計画という制度があると聞きました。
どんなものなのでしょうか?興味があります。
福岡市で補助金のサポートを行っている、行政書士の伊東です。今回は経営革新計画の概要について説明していきます。
経営革新計画について、全然知らない・言葉だけは聞いたことがあるという方はまず今回の記事をお読みください。
経営革新計画の概要
早速ですが経営革新計画の定義として、
とされています。
言葉通り既存の事業の単純拡充や更新ではなく、新たな取り組み(新事業活動)を行う必要があるということです。
経営革新計画に必須の「新事業活動」
それではその新事業活動とは具体的にどんなものをいうのでしょうか?具体例をあげてみます。
新商品の開発又は生産
ex) 大手の会社向けに金属加工を行っている会社が、その技術を活用して自社製品を開発する
新たなサービスの開発又は提供
ex) 美容室が従来のヘアカットに加え、スキンケア等の新たなサービスを提供する
商品の新たな生産又は販売方式の導入
ex) 金属加工会社が今まで外注していた工程を、新しい機械の導入で全て自社で行い納期短縮により受注量を増やす
サービスの新たな提供方式の導入
ex) 飲食店が店頭にテイクアウト専用の販売カウンターを作って、接客スピードを上げると共に、ネットによる事前注文システムを導入する
技術に関する研究開発及びその成果の利用
ex) 介護用ロボットの利便性向上を図るための実証実験と研究開発を行い、その成果を元に新しい介護用ロボットの製造に取り組む
その他の新たな事業活動
ex) フェイスブックやインスタグラム等を活用した情報発信、顧客ニーズの把握を行う
以上の6項目をふまえて注意してほしいのが、
- 単なる製造ラインの追加
- 老朽した設備の更新
- 営業所の増設
- 取扱品目の追加
これらの取り組みは認められないということです。特に最後の取扱品目の追加についてはご注意ください。
これは例えば、唐揚げ専門の飲食店さんがコロッケも販売しようといった具合です。
具体的な数値目標を立てる必要がある
経営革新計画では新たな事業活動の行動指針を立てますが、目標をたてるだけでなく実際に達成しなければなりません。
その目標を達成するのに、求められる項目が2つあります。
付加価値額又は1人あたりの付加価値額
付加価値額とは、営業利益や人件費・減価償却費を合わせたものです。
給与支給総額
言葉の通り、給与や賞与等を合わせたものです。
この2つの数値目標に関しては少し難しいところですので、別記事でくわしく解説します。(準備中)
採択されれば色々な優遇を受けることができる
経営革新計画の承認を受けることができれば、様々な優遇を受けることができます。
その中でも今回は資金繰りに関する優遇措置の一例をあげてみます。
信用保証協会・日本政策金融公庫の特例貸付制度が使える
以下のものは、通常の融資枠と別に経営革新計画の承認者向けに用意されたものです。
- 融資枠が別に用意されている
- 利率が下げられている
- 融資限度額の引き上げ
広告宣伝費や機械設備導入に使える補助金の申請が可能になる
融資だけではなく、経営革新計画の承認者のみに認められる補助金もあります。福岡県の場合だと、
という制度があります。経営革新支援補助金について、詳しくはこちらの記事で紹介しています→福岡県経営革新支援補助金とは?【計画推進枠・経費削減枠】
しかしこの補助金は経営革新計画の承認を受けないと申請できません。
ただし承認を受ければ、経営革新計画で立てた行動計画の実施に使える補助金ですので、自己負担割合が少なく済みます。
このように、経営革新計画の承認を受けることに大きなメリットがあるのがわかるかと思います。
まとめ
今回は経営革新計画についての、大まかな概要を紹介してきました。かなりざっくりとした紹介になりましたが、どのような制度で何をしてどんな良いことがあるかがわかったと思います。
次は経営革新計画のメリットとデメリットについて書いていきます→経営革新計画を申請するメリット・デメリット
当事務所では経営革新計画の事業計画書作成のサポートを行っています。申請をお考えの方はご相談くださいね。
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